Reports

『見えない悩み』の相談、7月は117件——悩みの種類は月ごとに入れ替わる

相談件数は2か月連続で減少。「心身の健康」は30件から7件に、「職場の悩み」は3件から8件に

東京メンタルヘルス株式会社 SMB事業部 読了目安 5分

2026年8月

117件

7月の相談件数(前月比28.2%減)

この記事の要点

  • LINE無料AIチャット相談の7月実績は117件(前月比▲28.2%)。5月をピークに2か月連続の減少が続く
  • 恋愛と夫婦の悩みの窓口のため、相談の多くは恋愛・夫婦関連(79.5%、93件)
  • 「職場の悩み」の相談は3件から8件に。月に数件のカテゴリのため、1件の増減で割合が大きく動く
  • 平均相談時間は約193分、30分超の長時間相談は44.4%(52件)。時間帯ごとの差は小さい(最多は12時台12件、0時台11件)

ストレスチェックや上司との1on1では拾いにくい悩みは、職場の外でどのように表れているのでしょうか。

当社が運営するLINE無料AIチャット相談の2026年7月実績によると、相談件数は117件(前月比▲28.2%)でした。5月をピークに2か月続けて減少しています。

恋愛と夫婦の悩みを受け付ける窓口なので、相談の多くは恋愛・夫婦関連(79.5%)です。「職場の悩み」の相談は3件から8件になりました。

働く人のための職場メンタルヘルスサービス「WorkMind」では、こうした人間関係と職場がつながっているという視点を、相談の仕組みづくりに生かしています。

データの背景

本データは、当社「恋愛と夫婦の悩み相談センター」が運営するLINEで使える無料AIチャット相談の利用ログを集計したものです。相談カテゴリの中には「職場の悩み」という区分もあり、恋愛・夫婦相談の窓口でありながら、仕事や職場に関する悩みが一定数持ち込まれている実態が見えます。

利用者の職業・雇用形態はデータに含まれないため特定はできませんが、相談者は10代〜60代以上と幅広い年代にわたっています。

  • 対象データ:当社「恋愛と夫婦の悩み相談センター」が運営するLINE無料AIチャット相談の利用ログ
  • 集計期間:2026年7月1日〜2026年7月31日
  • 比較対象:2026年6月(前月)
  • 集計対象:相談117件/利用者61人(重複を除いた人数)
  • 出典:東京メンタルヘルス株式会社 SMB事業部(恋愛と夫婦の悩みAIチャット相談 利用実績データより集計)

1. 相談の内訳——恋愛・夫婦の悩みが中心

カテゴリの内訳は「恋愛の悩み」65件(55.6%)、「夫婦・パートナーの悩み」28件(23.9%)で、両者合わせて79.5%を占めました。前月は66.9%でした。恋愛と夫婦の悩みを受け付ける窓口なので、この割合が月によって上下しても、関係性の悩みが中心であることは変わりません。

一方、6月に大きく増えた「心身の健康」は30件から7件へ76.7%減少し、月によって持ち込まれる悩みの種類が大きく揺れ動くことがわかります。職場では「今月は落ち着いている」と見える月でも、水面下の悩みの中身は毎月入れ替わっている可能性があります。

恋愛・夫婦関連の相談が占める割合

7月 79.5%
6月 66.9%

2. 「職場の悩み」は3件から8件に——関係性の窓口にも仕事の話

相談カテゴリのうち「職場の悩み」は3件から8件(6.8%)になりました。月に数件のカテゴリなので、1件の増減で割合が大きく動き、ここから職場のストレスが増えたとは読めません。

ただ、恋愛・夫婦の悩み相談の窓口にも、「職場の悩み」として来る相談が毎月あります。人間関係の悩みと職場のストレスは、相談する側にとっては切り離せないことがあると当社は考えています。

「職場の悩み」相談件数の前月比較

7月 8件
6月 3件

3. 短い相談ではない——30分超が44.4%

平均相談時間は約193分で、30分を超える長時間の相談は44.4%(52件)でした。前月(約203分・51.5%)からはやや落ち着きましたが、依然として相談の半数近くが長時間に及んでいます。

時間帯別では正午の12時台が12件で最多となり、深夜0時台も11件とほぼ並ぶ水準でした。曜日別では木曜・土曜がともに21件で最多です。1時間あたりの平均は約5件で、2つの時間帯に分かれていると言えるほどの差ではありません。

4. 50名未満の組織にとっての示唆

2026年2月、厚生労働省は「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しました。2028年4月施行の義務化を控えるものの、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の中でもストレスチェックの実施率には規模差があり、50人以上の事業所で89.8%であるのに対し、30〜49人では57.8%、10〜29人では58.1%にとどまります。

※ 出典: 厚生労働省「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)の概況」第2表(2025年8月7日公表)。

恋愛・夫婦の相談窓口にも、「職場の悩み」として来る相談が毎月数件あります。年1回のストレスチェックだけでは拾いきれない悩みがあると、当社は考えています。

匿名・即時のAIチャット相談は、まず話を受け止める場——一次受容——として位置づけています。そこで終わらせず、必要に応じて人とのつながりに戻っていけるようにすることを大切にしたいと考えています。

統計ハイライト

指標 7月 6月 変化
相談件数 117件 163件 ▲28.2%(2か月連続の減少)
恋愛・夫婦関連の割合 79.5%(93件) 66.9% +12.6pt
「職場の悩み」の相談 8件 3件 5件増
長時間の相談率(30分超) 44.4%(52件) 51.5%(84件) ▲7.1pt

相談が最も多い時間帯は12時台12件・0時台11件で、曜日は木曜・土曜がともに21件で最多でした。

取締役 江原和比己 コメント

7月の相談件数は117件で、5月をピークに2か月続けて減少しました。ただ、わたしが目を引かれたのは件数よりも中身です。恋愛と夫婦の悩みの窓口でも、「職場の悩み」として来る相談が毎月数件あります。6月に30件あった「心身の健康」の相談が7件になるなど、寄せられる悩みの種類も月ごとに入れ替わっています。

恋愛や夫婦の悩みと、職場のストレスは、本人のなかでは重なっていることが多いのではないかと感じています。ストレスチェックのような制度は職場内の要因を測る設計になっていますが、プライベートの悩みが仕事のパフォーマンスにどう影響していくかまでは拾いきれません。この窓口に寄せられる相談は、その拾いきれない部分にあたる悩みではないかと見ています。

働く人のための職場メンタルヘルスサービス「WorkMind」では、こうした関係性と職場がつながっているという考え方を大切にしています。この考え方をもとに、AIチャット相談を一次受容として位置づける設計に生かしていきたいと考えています。働く人が「ここなら話してもいい」と思える相談窓口を、職場の内側にも外側にも増やし、その小さな一歩を応援していきたいと考えています。

※ 江原 和比己(えはら かずひこ)——東京メンタルヘルス株式会社 取締役/産業カウンセラー/日本ブリーフサイコセラピー学会 正会員。IT領域で約25年のキャリアを経て産業カウンセラーに転身。AIを活用したメンタルヘルス支援の社会実装に取り組む。

職場メンタルヘルスについてのご相談

WorkMindは、50人未満の法人に、仕事の悩みの相談先を用意しています。