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従業員の『見えない悩み』は8月も同じ形——恋愛・夫婦84.5%

相談は129件で3か月ぶりに増加。内訳や長さ、時間帯は前月とほぼ同じ

東京メンタルヘルス株式会社 SMB事業部 読了目安 5分

2026年9月

84.5%

恋愛・夫婦関連が相談全体に占める割合(前月79.5%)

この記事の要点

  • 8月の相談は129件。6月・7月と2か月続けて減っていたが、3か月ぶりに増えた
  • 恋愛・夫婦関連は84.5%(109件)で、相談の傾向は前月とほとんど変わらない
  • 平均相談時間は約192分、30分を超える相談は47.3%、深夜帯の利用は28.7%。いずれも前月とほぼ同じ
  • 前月に3件から8件へ増えた「職場の悩み」は1件。月に数件のカテゴリは1件の増減で割合が大きく動く

職場では見えにくい悩みが、どれくらいの量で、どんな形で存在しているのか。

当社が運営するLINEで使える無料AIチャット相談の2026年8月の記録では、相談は129件でした。6月・7月と2か月続いた減少から、3か月ぶりに増えています。

ただし傾向は動いていません。恋愛・夫婦関連が84.5%、30分を超える相談が47.3%、深夜帯(22時〜翌4時台)の利用が28.7%で、いずれも前月とほぼ同じです。

職場では見えにくいこうした悩みを受け止める場として、働く人のための職場メンタルヘルスサービス「WorkMind」でもAIチャット相談の窓口を設置しています。

データの背景

このデータは、当社「恋愛と夫婦の悩み相談センター」が運営するLINEで使える無料AIチャット相談の利用ログです。恋愛・夫婦の相談窓口ですが、相談カテゴリには「職場の悩み」もあります。

相談する人の年代は10代から60代以上まで幅があります。ただし職業や雇用形態はデータに含まれないため、そのうちどれだけが働く人かは分かりません。

  • 対象データ:当社「恋愛と夫婦の悩み相談センター」が運営するLINEで使える無料AIチャット相談の利用ログ(相談日時、やり取りの回数、相談内容からAIが判定したカテゴリ)
  • 集計期間:2026年8月1日〜2026年8月31日
  • 比較対象:2026年7月(前月)
  • 集計対象:相談129件(重複を除いた利用者は64人)
  • 相談1件の数え方:同じ利用者の同じ日のやり取りをまとめて1件と数えています(最長24時間)
  • 相談時間の数え方:1件の相談のうち、最初の発言から最後の発言までの時間。やり取りが1回で終わった相談は0分として平均に含めています
  • 出典:東京メンタルヘルス株式会社 SMB事業部(恋愛と夫婦の悩みAIチャット相談 利用実績データより集計)

1. 「見えない悩み」の内訳——恋愛・夫婦で84.5%

カテゴリの内訳は「恋愛の悩み」が81件(62.8%)、「夫婦・パートナーの悩み」が28件(21.7%)でした。合わせると84.5%(109件)で、前月の79.5%(93件)から5.0ポイント上がっています。「心身の健康」は7件から11件へ増えました。

「職場の悩み」は1件で、6月3件、7月8件、8月1件と動いています。月に数件しかないカテゴリなので、1件の増減で割合が大きく動きます。ここから職場のストレスが増えた、減ったとは読めません。

「職場の悩み」の相談件数(6月・7月・8月)

8月 1件
7月 8件
6月 3件

2. 時間帯——最多は深夜0時台、偏りは小さい

相談が始まった時刻で最も多かったのは0時台の10件、次いで10時台の8件でした。7件で並ぶ時間帯が6つあり、特定の時間に集中していません。前月は12時台の12件が最多です。曜日別も、最多20件・最少13件で目立った偏りはありません。

深夜帯(22時〜翌4時台)に始まった相談は28.7%(37件)で、前月(29.9%・35件)とほぼ同じです。この7時間は1日の29.2%にあたり、深夜に偏ってはいません。対面の窓口が閉じている時間帯にも、昼と変わらない頻度で相談が始まっています。

3. 短い相談ではない——平均192分、30分超が47.3%

平均の相談時間は約192分で、前月の約193分とほとんど変わりません。30分を超える相談は47.3%(61件)で、前月の44.4%(52件)からわずかに増えました。

1件あたりの平均やり取り回数は12.5回から10.3回へ減りました。相談時間は変わらないのに回数だけが減ったということは、ひと言と次のひと言のあいだが長くなったということです。すぐに返さず、少し置いてから戻ってくる。言葉になるまで時間がかかる相談があるのだと思います。

4. 50名未満の事業場にとっての示唆

ストレスチェックの実施率には、規模による開きがあります。メンタルヘルス対策に取り組む事業所のうち、実施は50人以上で89.8%、30〜49人で57.8%、10〜29人で58.1%です(厚生労働省「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」)。

2028年4月1日からは、50人未満の事業場でもストレスチェックが義務になります。事業場とは工場や支店など場所ごとの単位で、下限はありません。

ただ、年に1度の調査で分かるのは、実施した時点の状態です。今回の記録が示しているのは、その間もこの量の悩みが持ち込まれ続けているということです。名前を出さずにすぐ使えるAIチャット相談を、まず話を受け止める場——一次受容——だと考えています。

統計ハイライト

項目 8月 7月 変化
相談件数 129件 117件 12件増(10.3%増)
恋愛・夫婦関連の割合 84.5%(109件) 79.5%(93件) 5.0ポイント増
30分を超えた相談の割合 47.3%(61件) 44.4%(52件) 2.8ポイント増
深夜帯(22時〜翌4時台)の割合 28.7%(37件) 29.9%(35件) 1.2ポイント減
平均のやり取り回数 10.3回 12.5回 2.2回減

取締役 江原和比己 コメント

恋愛や夫婦の悩みが相談の8割を超え、相談時間は平均で約192分、半数近くが30分を超えて続いています。産業カウンセラーとして見ると、ちょっとした相談をしに来ているのではありません。まわりに言えないまま抱えてきたことを、ようやく打ち明けられたのだと思います。

ストレスチェックは年に1度、その時点の状態を測る仕組みで、設問が聞くのも職場の中で起きていることです。ここに持ち込まれる悩みは、そこには出てきにくいものです。8月に相談の傾向がほとんど動かなかったことは、この量が特定の月だけの現象ではないことを示していると考えています。

働く人のための職場メンタルヘルスサービス「WorkMind」では、AIチャット相談を一次受容の窓口として設置しています。そこで終わらせず、必要なときには人とのつながりに戻れるようにしたい。働く人が「話してもいい」と思える入口を、職場の内側だけでなく外側にも増やし、話してみようという小さな一歩を応援していきたいと考えています。

※ 江原 和比己(えはら かずひこ)——東京メンタルヘルス株式会社 取締役/産業カウンセラー/日本ブリーフサイコセラピー学会 正会員。IT領域で約25年のキャリアを経て産業カウンセラーに転身。AIを活用したメンタルヘルス支援の社会実装に取り組む。

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